2008年5月13日(火)第4回GISコミュニティフォーラムinつくばが、ESRIジャパンユーザ会により、つくば国際会議場エポカルつくばで開催されました。
フォーラムでは、つぎのような基調講演と事例発表がありました。
基調講演
■ GIS活用における業務効率化 ソフトバンク 柴山和久氏
■ GISを活用した効果的な危機対応の推進-2007年四位が他県中越沖地震での実践から- 京都大学防災研究所巨大災害研究センター教授 林春男氏
事例発表
■ だいち(ALOS)データの利用について RESTEC 桑原克也氏
■ 新型インフルエンザ拡大伝搬モデルシミュレーション 国立感染症研究所 桑原民枝氏
■ 郵便局とその他民間機関の地域間格差の検証 青山学院大学経済学部准教授 高橋朋一氏
それぞれ、大変興味深いテーマでしたが、特に国立感染症研究所の新型インフルエンザ拡大伝搬モデルシミュレーション事例の発表は、今後実際に起きる可能性が心配されているパンデミックに関してのGIS適用事例ということで、会場の関心は高かったようです。
海外で感染した一人の患者が日本に帰国したという想定で、羽田空港から自宅の八王子に帰る。その後、勤務先に電車で通勤、その間に感染者が増え、約1週間後には都市圏で3000人の感染者が出るというようなシミュレーション結果の説明がありました。場所と関連付けて感染状況がシミュレーションできるということは、感染の拡大を防ぐための効果的な対策を講ずる上で非常に役立つものであることを実感させるものでした。
このような場所と関連付けたシミュレーションとしては、マーケッティング分野での市街地での人の流れを解析すること、環境分野での生物の外来種による影響分析など、様々な応用分野が考えられると思います。
ESRIジャパンのパートナー企業として、GISのさらなる利用分野の拡大を期待したいと思います。